ご挨拶
− 美しさを追求する要素技術がナノテクノロジーを支える−
大面積な美しい膜を作るためには、どのようにすれば良いでしょうか?
まず物質を溶媒に溶かすことができて、粒状の固体にならないように、材料の表面に溶液を広げる必要があります。しかし、膜にしたい機能性酸化物などの多くは、ふつうの溶媒に溶けない化合物です。そこで、空気中で加熱すると酸化物などになる物質(プレカーサー)を美しい膜にできることに着目した工学院大学の佐藤光史博士は、配位化合物をプレカーサーとして分子設計し、欠陥のない機能性膜を作ることに成功しました。すでに、30種類ほどの元素に適用できる汎用性が確かめられています。このように、分子プレカーサー法は、数nmレベルからの美しい機能性膜を作り出すことが可能で、未来のナノテクノロジーを支える新しい要素技術です。また、欠陥を生じない膜形成の特徴を解析・応用して、シングルナノオーダーの結晶子サイズをもつ粉末も作製できることから、新たな素材の開発において大きな可能性をもっています。
当社は、この分子プレカーサー液の開発販売、また分子プレカーサー液を使用して光エネルギーを高度利用する膜や、医療に役立つ膜作りに挑戦しています。
代表取締役 原 広樹